【戸建とマンションの気になる違い(階数と面積)】

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マイホームを考えるとき、首都圏ではマンションを前提にしている人が多くいますが、戸建は知らない(縁がない)だけでダメなわけではないようです。そこで、戸建とマンションの違いを十分に理解したうえで、より適切な選択をした方が後悔しなくて済むのではないかと考え、戸建とマンションの違いについて、ここでは階数と面積を比べてみました。

 

  • 最近は平屋の戸建てが増えている

最初に住宅の階数について最近の傾向を戸建住宅から見ていきます。下記のグラフは建築時期によって何階建ての建物が多いかを表したものです。

資料:総務省統計局『住宅・土地統計調査』(平成30年)

 

戸建なので多くは2階建ですが、2006年(平成18年)以降は1階建(平屋)の割合が再び増え始めています。1950年(昭和25年)以前は1階建が34.0%もありましたが、高度成長に合わせるように減っていき、2001~2005年には7.5%まで減ってしまいました。しかし、直近では11.8%まで戻してきています。逆に3階建以上は1996~2000年の6.4%をピークに2017年は4.0%まで減ってきています。世帯当たりの人数が減っていることや高齢化の影響で、1階建の良さが見直されているのではないでしょうか。階段を昇降する煩わしさから解放され、地に足のついた感じがして、外観の見栄えが良い等は、1階建の魅力です。筆者も1階建の戸建ては憧れです。

 

●共同住宅の半数は3階以下
戸建住宅と同様に共同住宅の階数についてもグラフにしてみました。

資料:総務省統計局『住宅・土地統計調査』(平成30年)

 

統計上の共同住宅は「1棟の中に2つ以上の住宅があり、廊下・階段などを共用しているものや2つ以上の住宅を重ねて建てたもの。」となっているので、タワーマンションも含まれれば低層のアパートも含まれます。全国的に見れば1951~1980年頃は5階建が非常に多くなっていますが、おそらく公団のエレベーターのない5階建が多く建てられたからでしょう。階数を5階建までと6階建以上で分けてみると、6階建以上が徐々に増加していきましたが、2001~2005年をピークにその後は減少に転じています。最近は3階建が増え、3階建までで全体の半数程度を占めるようになっています。相続対策によるアパートの増加も要因の一つになっていると考えられます。

 

 

●戸建住宅は100㎡以上が当たり前
次に住宅の面積について戸建住宅と共同住宅の違いを確認します。1つ目の円グラフは戸建住宅の延べ面積の分布状況を表しています。戸建てに住んでいる人の平均的な姿をイメージできます。

資料:総務省統計局『住宅・土地統計調査』(平成30年)

 

戸建住宅の場合、延べ面積の割合が大きいのは100~149㎡で、全体の39.9%を占めています。次が150㎡以上の24.6%になるので、戸建住宅の場合は100㎡以上が当たり前のような状況です。ちなみに1住宅あたりの平均値は127.29㎡です。

 

ではマンション等の共同住宅はどうでしょうか?2つ目の円グラフは共同住宅の延べ面積の分布状況を表しています。

資料:総務省統計局『住宅・土地統計調査』(平成30年)

 

共同住宅で最も割合が大きいのは30~49㎡の25.7%で、次が僅差で50~69㎡の25.3%、さらに29㎡以下の23.1%と続きます。29㎡以下だと一人暮らしがほとんどでしょうが、共同住宅では70㎡もあると結構広い部類に入ると言えます。ちなみに共同住宅の1住宅当たりの平均値は51.17㎡で、戸建住宅の半分もありません。

 

戸建住宅と共同住宅の面積を比べると、戸建住宅では3分の2が100㎡以上でしたが、共同住宅では9割以上が100㎡未満であり、大きな違いが表れました。

 

階数と面積から、戸建住宅は100㎡以上の2階建が一般的で、共同住宅は70㎡以下の2~3階建が比較的多いとイメージできます。マイホームを考える場合、平均に近いほど数が多いので探しやすいと言えます。ただ平均的な住宅を選ばなければならない理由はないので、平均像を理解したうえで、自らの理想を追求していってほしいものです。

 

 

 

 

 

松浦建二(CFP ®認定者・1級FP技能士)

青山学院大学非常勤講師/FPとして個人向けや中小法人向けコンサルティング業務やFPに関する講演・執筆を主に、金融商品の販売代理業務等を行っています。各メディアにて取材協力も行っています。

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