【2021年の公示地価発表! 下落地域、上昇地域の共通点をマイホーム選びに活かそう!】

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2021年3月23日、国土交通省が公示価格を公表しました。

公示価格は、2人以上の不動産鑑定士が全国約26,000地点の1月1日時点の価格を鑑定評価し、 国土交通省が毎年1回、3月下旬に公表している価格です。

売買の目安の価格として用いられていますので、相場観を知るためにも、
近いうち、不動産の購入、売却を考えている人は、是非調べてみましょう。

 

公的機関が調査・公表する価格は、ほかにも相続税路線価、固定資産税評価額等もありますが、マイホームを買いたい人、売りたい人が注目したい価格は次の2つです。

基準地価 都道府県が毎年7月1日時点の全国約2万1,000地点の価格を調査・公表。公示価格と同様、売買の目安となる価格
地価LOOKレポート 国土交通省が主要都市の高度利用地(100地区)の四半期ごとの価格変動率を調査・公表

公示価格と基準地価は、全国幅広く2万時点以上の価格を調査・公表しているのに対し、
地価LOOKレポートは主要都市の高度利用地に限定して調査・公表している点で異なりますが、
高度利用地の価格は周辺地域よりも早く価格が変動する先行指標とされています。

国土交通省地価公示、都道府県地価調査
https://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=0&TYP=0

地価アウトルック
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk4_000050.html

2021年の公示地価は久しぶりに下落トレンドに

2020年の公示価格(1月1日)は以下のとおり、全国平均、三大都市圏、地方四市(仙台
・広島・札幌・福岡)ともに、全用途平均、住宅地、商業地いずれも上昇していました。

全用途平均 住宅地 商業地
全国平均 +1.4% +0.8%  +3.1%
三大都市圏 +2.1% +1.1% +5.4%
地方四市  +7.4% +5.9% +11.3%

しかし、今回公表された2021年の公示価格は全国平均、三大都市圏ともに、全用途平均、
住宅地、商業地ともに下落に転じました。
なお、地方四市は、上昇は維持したものの、上昇幅は縮小しました。

全用途平均 住宅地 商業地
全国平均 ▲0.5% ▲0.4% ▲0.8%
三大都市圏 ▲0.7% ▲0.6% ▲5.4%
地方四市 +2.9% +2.7% +3.1%

 

以上のとおり、新型コロナウィルスの影響を受けて、地価動向には変化が生じています。

2020年の公示価格、基準地価、2021年1月調査の地価OUTLOOKおよび公示地価で大きな下落をした地域の特徴は、以下のとおりです。
なお、下落地域の個別地域名は、お住まいの方への配慮のため、伏せさせていただきます。

 

「自然災害」

2019年10月の二度の台風で被災した地域は、昨年の公示地価で大きく下落しましたが、
2021年公示地価においても、その影響がまだ残っている地域もあるようです。

例年6月から7月にかけての梅雨の時期、線上降水帯による大雨で被災した地域は大きく下落する傾向があり、2021年も同様の影響が出ています。

地震、大雨、台風等、自然災害により大きな被害を受けた地域や、新たに土砂災害警戒区域に指定された地域は大きく下落しています。

 

「外国人旅行客に人気がある観光地(リゾート地を除く)」「都市中心部の商業地・繁華街」


東京湾アクアラインを郊外に渡った千葉の「木更津市金田」の住宅地や
福岡市中心部への通勤需要がある佐賀市、鳥栖市等の住宅地は上昇しています。
都心から少し離れているものの、通勤環境(アクセス)がよい地域という点が共通点として挙げられます。

また、高速道路や有料道路が新たに開通し、周辺に物流施設が完成すると、つられて、近くの住宅地の価格が上昇する傾向にあります。

2020年の基準地価では松戸市みのり台、佐賀県鳥栖、沖縄県豊見城市等ではいずれも前年比10%以上、価格が上昇しました。
東京都では、東京都羽村市(圏央道)にできた物流施設の影響により、地価が大きく上昇しています。

 

「大都市周辺の商業施設充実地域」

大都市の中心地が大幅に下落に転じた一方で、大都市の周辺の商業施設が充実している地域は比較的堅調です。
たとえば、2021年1月の地価LOOKレポートによれば、
首都圏では川崎駅、横浜駅、武蔵小杉駅、新百合ヶ丘駅等、
近畿圏では、阪急西宮北口駅、JR芦屋駅等は上昇しています。

 

「コロナ後を見据えた開発」

外国人からリゾート地として以前から人気が高く、地価が上昇し続けていた北海道倶知安は、2021年公示価格の上昇率は、住宅地(25.0%)、商業地(21.0%)と、いずれも全国1位(住宅地は全国上昇率5位、10位も倶知安)です。

また、北海道日本ハムファイターズがボールパークの建設を予定している北広島市は、
上昇率上位10位のうち、住宅地では2位、3位、4位、6位、商業地では9位を占めています。

また、倶知安と並び、外国人からスキーリゾートとして人気がある長野県白馬村のスキーリゾート地も、2020年の基準地価、2021年の公示価格ともに前年比10%以上上昇しています。

コロナ禍で多くの観光地が下落する中においても、コロナ後の賑わいが期待できる開発を進める地域は、その勢いを維持しています。

 

2021年の公示地価は全体としては下落していますが、上昇している地域もあります。
大切なことは、個々の価格よりも、下落地点の共通点、上昇地点の共通点を把握・理解して、今後の皆さんの不動産購入、売却に役立てることです。

 

全ての土地は唯一無二であり、よい点もあれば、気になる点もあります。
自分にとって優先順位が高い点は何か、妥協できる点は何かを考えて、納得できる判断をするため、公開されている情報をどんどん活かしましょう。

 

マイホームの立地条件選びを含めて、マイホーム購入(売却)についてお手伝いをさせていただきますので、是非、私たちFPにご相談ください。

 

 

 

 

益山 真一

1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。

1級FP技能士、CFP認定者

マンション管理士、宅地建物取引士、消費生活アドバイザー

ダイエット検定1級、食生活アドバイザー2級、健康管理能力検定2級

2003年から2017年まで15年にわたり、國學院大學経済学部非常勤講師

 

人生を楽しむお金を生み出すことを目的とした執筆、講演活動を展開。

主なテーマは「資産形成・老後資金準備と家計管理」

FPの資格取得・継続教育、宅建の資格取得研修、高校・大学の講義のほか、

投資家向けセミナー、内閣官房内閣人事局主催のキャリアデザイン研修講師、

ファイナンシャルアカデミーのお金の教養講座・経済入門スクール等、

セミナー・研修・講義は2021年3月時点で3083回。

活動理念は「心、カラダ、キャリア、時間、お金」の5つの健康のバランスを考えた最適提案。

 

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