【都心の小学生は半数が私立中学へ進学する】

コラム

子育て世帯がライフプランを考えるうえで、子どもの進学先をどうするかは経済的にも大きなポイントとなります。大学まで国公立なら教育費は比較的少なくて済みますが、小学校や中学校から私立に行くようだと、教育費負担は相当大きいものになります。進学先は子ども自身の希望や親の経済事情に応じて決めれば良いのですが、実は環境にも大きく影響を受けてしまいます。都内小学生の進学状況から、住む場所によって異なる教育環境について考えてみました。

 

●小学校卒業後にそのまま公立中へ進学する割合は80%
下記は都内公立小学校の卒業生(2017年3月卒業生)がどの中学校へ進学したかをまとめたものです。公立中学校への進学者には、都立中学校、区立義務教育学校、区立・都立中等教育学校への進学者を含み、国立中学校への進学者には、国立の中等教育学校への進学者を含みます。

 

資料:文部科学省「学校基本調査」

文部科学省の学校基本調査によると、都内の公立小学校に通っていた児童の80.9%が公立中学校へ進学しています。中学受験をしている児童は、私立へ進学した15,626人、国立へ進学した439人、公立に含まれている都立中学校及び都立中等教育学校へ進学した1,375人等、さらに受験はしたものの結果として公立へ進学した児童等と考えられます。公立へ進学する割合は23区で76.4%と低く、郡部や諸島部では高くなっています。

 

●中央区の小学生は2人に1人しか公立へ進学しない
次に地域ごとの傾向をもう少し細かくみるために、区市町村ごとにみてみましょう。下記の一つ目の表は東京23区と26市の中で都内公立中学校への進学率が特に高い区市、二つ目の表は進学率が特に低い区市を順に並べたものです。


※郡部・諸島部は除く

公立への進学率が高いのは西部の市に多く、あきる野市は782人中742人(94.9%)が公立へ進学しています。2番目に高いのは武蔵村山市の94.6%で、都内私立中学への進学は僅か35人しかいません。清瀬市や東大和市、青梅市等も似たような進学率となっています。これらの市で公立への進学率が高いのは、通いやすい場所に私立や国立の中学校があまり多くないことも影響していそうです。ただ、区部でも江戸川区(87.8%)や足立区(87.5%)、墨田区(85.5%)等は比較的公立への進学率が高いです。

 

一方で、公立への進学率が低い区市は下記の通りです。

※郡部・諸島部は除く

中央区は公立小学校卒業者の半数程度(53.2%)しか公立中学へ進学していません。卒業者792人のうち私立へ295人、国立へ7人も進学しています。文京区も公立への進学率は54.9%と低く、私立・国立中学への進学率が41.3%にもなります。公立中学への進学率が低いのは都心の区が多く、市部で低いのは武蔵野市(70.6%)、調布市(78.7%)等となっています。

 

●子育てしやすいのは公立中学への進学率が高い地域?
中学受験をするかどうかは親の意向が強いですが、昨今は高校で生徒募集しない中高一貫校も多いので、中学校から私立や国立への進学希望者も一定割合います。

 

親も子ども自身も中学校は公立と決めている場合は、進学予定の中学校や選択可能な中学校の状況を知っておけば進路の判断に迷うことはあまりないです。希望する私立や国立の中学校が決まっている場合も、そこへ目指して通う塾や学校に通いやすい場所に住めば良いです。

 

進路が公立かどうかも未定な人が住む場所を決める場合は、地域の進学事情を十分に理解してから判断した方が良いです。例えば、私立・国立への進学率が非常に高い文京区に住んで、子どもが公立小学校に通っていたら、多くの友達が中学受験のために早い時期から塾へ通い始め、親同士の会話では受験に関することが多く、親も子もその影響を大きく受けてしまいます。そのため、中学受験をあまり希望していないなら、公立への進学率が高い地域に住む方が、気が楽です。もし親が子どもの受験を望んでいるなら、私立や国立への進学率が高い地域に住むことで、子どもが自然に受験を意識するようになるかもしれません。

 

親子に強い意志があれば、どこに住んでも変わらないでしょうが、住む場所によって少しでも有利になるなら、地域ごとの進学率も参考にしてみては如何でしょうか。

 

 

 

松浦建二(CFP ®認定者・1級FP技能士)

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