【高校生まで医療費が無料のお得な市はどこ? 】

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春は就職や転勤等で引越しの多い時期です。新たな場所に住むなら居心地の良い場所に住みたいものです。特に子育て世代は保育園探しや医療費助成など、子育て支援サービスの充実が気にところではないでしょうか。今回はその中で子どもの医療費助成について取り上げます。1都3県の区市による違いに着目してみました。

 

  • 子どもの医療費助成の内容

子どもの医療費助成は少子化対策の一つとして拡大傾向が続いています。健康保険があることで医療機関窓口等での自己負担は3割(小学校就学前は2割)ですが、子どもの医療費助成はその3割(または2割)を助成することで、実質無料かそれに近い僅かな負担になるようにしています。

 

自治体による助成内容の違いは主に4点です。

①入院の助成は何歳(何年生)まで対象か?

②通院の助成は何歳(何年生)まで対象か?

③親の所得制限はあるか?

④一部自己負担はあるか?

 

  • 東京都内に住むなら千代田区か武蔵野市がオススメ

東京都は早い時期に入院・通院共に中学3年生まで医療費助成を打ち出し、近県より優位性がありましたが、今は他も助成内容が拡大されたことで、特筆すべき差はありません。ただ、一部の区市では独自で上乗せしており、子育て世代にとっては非常に魅力的な内容になっています。

 

千代田区

入院・通院ともに高校3年生(18歳になって最初の3月31日まで)まで助成対象、高校に通っていなくても対象だが、就職や婚姻により保護者の扶養を外れている場合は対象外、親の所得制限もなし、一部自己負担もなし

 

武蔵野市

2022年(令和4年)4月から、入院・通院ともに高校3年生(18歳になって最初の3月31日まで)まで助成対象、親の所得制限もなし、一部自己負担もなし

 

都内の区市では他に北区と品川区で入院のみ18歳まで助成対象にしています。多摩地区は通院1回あたり200円の自己負担を要する市や、小学1年生から親の所得制限を設定している市があります。所得が高いと小学校就学までで医療費助成が終わってしまうので、住む前に確認した方が良いです。

 

  • 埼玉県は子どもの医療費助成がとても魅力的

埼玉県内の市は全体的に助成内容が良く、高校3年生まで助成対象としている市がかなりあります。

 

≪入院・通院ともに高校3年生まで助成している市≫

熊谷市、行田市、秩父市、本庄市、東松山市、鴻巣市、深谷市、桶川市、北本市、蓮田市、白岡市

 

≪入院のみ高校3年生まで助成している市≫

春日部市、草加市、戸田市、朝霞市、志木市、新座市

 

鴻巣市は2020年(令和2年)4月に対象を拡大し、蓮田市は2021年(令和3年)1月に対象を拡大しています。県庁所在地のさいたま市は入院・通院ともに中学3年生までで、現状、さいたま県内では対象年齢が中学3年生までと高校3年生までに分かれています。そのため、今後も高校3年生まで拡大していく市が現れそうです。

 

  • 神奈川県と千葉県は多くの市で一部自己負担がある

神奈川県内では高校3年生まで対象にしている市はなく、所得制限を設定している市が多いです。人口の多い横浜市と川崎市の助成内容は下記の通りです。

 

横浜市

入院・通院ともに中学3年生まで対象、小学4年生から通院1回あたり500円までの自己負担有、3歳から所得制限有、1~2歳でも所得制限額以上の場合は通院1回500円までの自己負担有

川崎市

入院は中学3年生まで、通院は小学6年生まで対象、小学4年生から通院1回あたり500円までの自己負担有、通院は1歳から所得制限有

 

助成対象を広げれば市の負担も当然増えるので、各市は財政上可能な範囲で設定するしかありません。その結果、横浜市と川崎市はかなり分かりづらい内容になってしまっています。

 

千葉県内の主要都市はどこも中学3年生までを助成対象にしています。通院1回あたり300円程度、入院も1日あたり300円程度の自己負担がありますが、所得制限はありません。

 

 

子育て世代にとって子どもの医療費助成の対象年齢が広いのは、気軽に病院へ行ける安心感があり、家計面でとても助かります。大病を患うことは滅多にないでしょうが、心強いお守りと言えるでしょう。

 

住む場所を選べるなら、住民サービスの良い場所の方が当然良く、子どもの医療費助成も住民サービスの大事な一つです。しかし、他にも支援や助成サービスは沢山あるので、医療費助成の内容だけで自治体の優劣を判断できるものではありません。今後内容が変わっていく可能性もあるので、自分にとって最適な場所を総合的な判断をするようにしましょう。助成内容の詳細は各区市のホームページで直接確認し、いろいろ比較してみるのも良いです。また、再多岐な判断をするために、住まい選びに詳しいファイナンシャルプランナー等の専門家を活用するのも一つの手です。気軽に相談してみては如何でしょうか。

 

 

松浦建二(CFP ®認定者・1級FP技能士)

青山学院大学非常勤講師/FPとして個人向けや中小法人向けコンサルティング業務やFPに関する講演・執筆を主に、金融商品の販売代理業務等を行っています。各メディアにて取材協力も行っています。

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