【住宅ローン控除、勘違いにご用心!】

コラム マイホーム購入 住宅ローン 税金

会社員や公務員等、お勤めの方の多くは、会社から支払われる給与から所得税が源泉徴収されており、毎年12月に所得税の「年末調整」が行われますので、確定申告をしたことがないという方も多いのではないでしょうか?

 

住宅ローン控除、1年目は必ず確定申告が必要

しかし、マイホームを購入し、住宅ローン控除を初めて受けようとする年は、
お住まいの住所地を管轄する税務署に確定申告をしなければ、住宅ローン控除の適用を受けることはできません。

 

現在は、スマホやパソコンからも確定申告をすることができますので、住所地を管轄する税務署がどこにあるか分からなくても手続きはすることができます。

準備する資料を確認したい、確定申告書の書き方を教えて欲しい・・・という場合も、
ネットで調べることもできますが、対面で教えてもらいながら書きたい方は、
お住まいの地域を管轄する税務署に行くことをお勧めします。
住所地を管轄する税務署が分からない場合は、スマホやパソコンで、「住所地、管轄税務署」で調べてみましょう。

なお、今は新型コロナの影響で事前予約制になっているかもしれませんので、少しでも早く手続しましょう。

 

なお、2年目以降は、給与所得者のうち、年末調整で申告・納税が完了する方であれば、
2年目以降は年末調整で済ませることができます。

 

ただし、ちょっとした勘違いで、毎年、数万円、十万円単位で税金が軽くなる制度を利用できなくなってしまうこともありますので、以下の点に気をつけましょう。

 

住宅ローンの繰上げ返済は当初からの償還期間が10年以上、借換えは借換え後10年以上

住宅ローン控除は、償還期間が、償還を開始した日(借りた日からではなく、返済を始めた日)から10年以上の住宅ローンであることが要件となっています。繰上げ返済を頑張って、借金が減り、支払利息が減るのはよいことですが、償還期間が短くなりすぎると、住宅ローン控除を利用できなくなる可能性があります。

前述のとおり、住宅ローンの償還期間は、償還を開始した日から10年以上の住宅ローンであればよいため、繰上げ返済後の期間が10年未満であっても、当初の償還を開始した日から10年以上あれば大丈夫です。

なお、借換えは要注意です。借換えの場合は、借換え後の住宅ローンの償還期間で判定しますので、借換え後の住宅ローンが償還を開始した日から10年以上でなければ、借換え後、住宅ローン控除を適用することはできません。

 

転勤期間中、住宅ローン控除は使えない

住宅ローン控除適用住宅を購入したものの、入居前に転勤が決まった、入居後に転勤が決まったということで、購入した住宅を離れることになる場合も考えられます。

 

この場合、単身赴任で住宅ローン控除の適用を受けるはずであった者のみが転勤し、
配偶者や子、親等の家族が住み続けている場合は、単身赴任中も継続して住宅ローン控除の適用を受けることはできますが、家族全員で転勤した場合、その期間中は、住宅ローン控除の適用を受けることはできません。

なお、転勤が終わり、住宅ローン控除の対象住宅に入居した年以降は、住宅ローン控除適用期間(10年または13年等)の残りの期間について適用を受けることはできますが、転勤期間分をさらに延長して控除することはできません。

また、転勤中、他人に賃貸しており、再入居した年にも賃貸していた場合には、再入居年の翌年以降の住宅ローン控除の適用となります。

 

マンションの床面積は広告面積(壁心面積)ではなく、登記面積(内法面積)で判定

住宅ローン控除の対象となる住宅(建物)の床面積は原則50㎡以上(一定の要件を満たす場合は40㎡以上)となっていますが、この面積は登記面積で判定します。
戸建て住宅では壁心面積(外壁と内壁の中心線で囲まれる面積)で判定します。

広告も不動産登記も壁心面積ですので、特に大きな問題はないと思われますが、
マンションの登記面積は内法面積(内壁で囲まれる面積)で判定します。

 

マンションの広告に記載されている専有部分の床面積は、その多くは壁心面積で記載されています。内法面積よりも壁心面積のほうが、壁の厚さの一部も面積に含めることができる分、大きな数値で表示されています。

しかし、住宅ローン控除は、内法面積で判定しますので、広告面積をそのまま、住宅ローン控除の判定要件と思い込むと、こんなはずでは・・となる可能性があります。

たとえば、50㎡以上が対象となる住宅について、広告記載の面積が壁心面積で52㎡、内法面積49㎡である場合には住宅ローン控除の適用を受けることはできません。
中古マンションであれば、法務局(登記所)に出向いて、購入したいマンションの部屋(専有部分)の登記を調べれば、登記面積を確認できます。
一方、新築マンションの場合は、住宅ローン控除の対象となる床面積要件を満たすか否かを販売業者にしっかり確認することをお勧めします。

 

以上のように、住宅ローン控除は10年間または13年間にわたり、合わせて数十万円、数百万円の所得税等の負担を軽減することができる制度であり、非常に魅力的です。
だからこそ、こんなはずでは・・・とならないように気をつけましょう。

住宅ローン控除の適用要件や活用法について、詳しく知りたい方は是非、私たちFPにご相談ください。

 

 

 

 

 

益山 真一

1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。

1級FP技能士、CFP認定者

マンション管理士、宅地建物取引士、消費生活アドバイザー

ダイエット検定1級、食生活アドバイザー2級、健康管理能力検定2級

2003年から2017年まで15年にわたり、國學院大學経済学部非常勤講師

人生を楽しむお金を生み出すことを目的とした執筆、講演活動を展開。

主なテーマは「資産形成・老後資金準備と家計管理」

FPの資格取得・継続教育、宅建の資格取得研修、高校・大学の講義のほか、

投資家向けセミナー、内閣官房内閣人事局主催のキャリアデザイン研修講師、

ファイナンシャルアカデミーのお金の教養講座・経済入門スクール等、

セミナー・研修・講義は2021年3月時点で3083回。

活動理念は「心、カラダ、キャリア、時間、お金」の5つの健康のバランスを考えた最適提案。

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