【人口統計から住む場所の特徴をイメージする】

コラム

マイホームを購入したり投資用物件を購入したりするとき、選ぶポイントは通勤に便利とか街が好きとかいろいろあります。その中でも人口の動向は、その街の基本的な状況を確認することができます。今回は東京都の23区と26市を、いくつかの人口に関する統計から確認してみました。

 

●都内では区市によって17倍の人口規模の差がある
最初に東京都内の23区26市の人口を確認しましょう。人口の多い10区市と少ない10区市を表にまとめてみました。

 

人口の多い区市・少ない区市(東京都)         単位:人

資料:東京都の人口(推計)2019年6月

 

世田谷区の人口が最も多いのは、都民であれば誰でも知っていることですが、最も少ないのは羽村市ということはほとんど知られていないのではないでしょうか。羽村市や福生市の人口は5万人台で、世田谷区等の大規模な区に比べるとかなり小規模です。人口が多い方は八王子市を除いて全て区で、少ない方は千代田区を除いて全て市となっています。自治体の規模による不動産所有のメリット・デメリットはほとんどないでしょうが、個人的な好みや立地の差は当然あります。また、規模に直接関係ないですが、財政が豊かな自治体だと、住民税や健康保険料等が割安で、子どもの医療費助成等の住民サービスが充実しているはずです。

 

次に各区市の昼間人口も確認し、多い区市と少ない区市を表にしてみました。昼間人口は人口(夜間)に通勤や通学で流入する人を加え、流出する人を減らしています。

 

昼間人口の多い区市・少ない区市(東京都)       単位:人

資料:平成27年国勢調査

 

昼間人口は港区が94万人で最も多く、26万人程の人口に非常に多くの人が通勤や通学で流入しています。世田谷区は昼間人口が人口より少ないので、通勤通学で区外へ流出する人の方が多くなっています。3番目の千代田区は夜間人口6万人に対し昼間人口が85万人なので、人口面からもオフィスや学校がかなり集積していると推測できます。

 

昼間人口が最も少ないのは人口と同じ羽村市で、通勤や通学で市外へ流出しています。福生市や武蔵村山市、清瀬市等も同じ傾向にあります。

 

●人口密度は豊島区が最も高くあきる野市が最も低い
人口や昼間人口は面積にかなり比例してしまうので、今度は人口密度で区市の違いを確認してみました。

 

人口密度の高い区市・低い区市      単位:人(1k㎡あたり)

資料:東京都の人口(推計)2019年6月

 

最も人口密度が高いのは豊島区で、2番目以降に中野区、荒川区、文京区と続きます。何れも比較的都心に近く面積が小さい区です。人口密度が高いと同じ面積に人が多くいることになるので、良く言えば賑わいがありそうです。

 

最も人口密度が低いのはあきる野市で、豊島区の21分の1程度しかありません。人が少なく自然が豊かと想像できます。2番目以降の青梅市、八王子市、武蔵村山市も含めて何れも市内に山や丘陵地帯があります。人があまり住んでいない地域があることで人口密度が低くなっています。

 

さらに昼間人口の人口密度も計算してみました。昼間人口で人口密度を求めている例は見かけたことがないですが、各区市のイメージは昼間の人口密度が大きく関係していると考えました。

 

昼間人口密度の高い区市・低い区市    単位:人(1k㎡あたり)

資料:平成27年国勢調査/東京都の人口(推計)2019年6月より筆者が計算

 

昼間人口による人口密度が最も高いのは千代田区で、5番目の渋谷区の2倍以上あり断トツの1位と言って良いでしょう。2番目に中央区、3番目に港区と都心3区が上位に並び、その次も新宿区、渋谷区、豊島区と都心の区が並んでいます。逆に最も低いのはあきる野市で、青梅市、八王子市と共に人口密度と同じ順位になっています。この3市は昼も夜も人が比較的少ないので、のんびりした東京暮らしができそうです。

 

昼間人口の人口密度は、人口(夜間)や人口密度、昼間人口よりも、都心と郊外の違いがわかりやすく表れています。その証拠に人口密度の高い方は全て区であり、低い方は全て市になっています。

 

●都内の7市では人口が減り始めている
最後に都内23区26市の人口が3年前と比べてどのくらい増減したか、増減率で高い区市と低い区市を表にまとめてみました。

 

人口増加率の高い区市・低い区市

資料:東京都の人口(推計)2019年6月

 

都心部や湾岸地域の人口が急増しており、直近3年(2016年6月1日~2019年6月1日)でみても、中央区の12.80%増を筆頭に、千代田区9.63%増、文京区5.26%増等、非常に高い増加率となっています。ちなみに増加数では世田谷区が最も増えており24,288人増です。一方で青梅市や福生市等の7市では人口が減っています。日本の人口は既に減り始めていますが、東京都は3年間で2.31%(314,089人)も増えています。しかし、東京都も例外でなく一部では減り始めており、今後減少する区市はさらに増えていくでしょう。

 

人口統計だけみても地域の特徴がいろいろわかります。どこに住むか、どこに不動産を買うか等を考える時、主観的な判断だけでなく、人口統計等の客観的データも確認してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

松浦建二(CFP ®認定者・1級FP技能士)

青山学院大学非常勤講師/FPとして個人向けや中小法人向けコンサルティング業務やFPに関する講演・執筆を主に、金融商品の販売代理業務等を行っています。各メディアにて取材協力も行っています。

 

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