【生活に必要不可欠な水道は区市町村ごとに料金が違う! 】
私たちの生活では水は必要不可欠なものであり、どこに住んでも水道料金を払って生活します。毎月必ず支出する固定費だからこそ、少しでも負担は軽い方が良いですが、実は水道料金は住んでいる場所によって異なり、全国的にみれば2倍以上の差があります。そこで、住む場所によってどのくらい違うのか、首都圏の大都市を比較してみました。
●水道料金(上水)は川崎市が比較的低額
水道料金は上水と下水に分かれており、どちらも基本料金と従量料金(使用料に連動)を合算して求めます。水道料金は消費税が課税されるので、税抜で記載してある下記の各区市の水道料金に消費税(2019年9月までは8%、10月以降は10%)を加算した額が支払う額になります。
まずは、東京23区とさいたま市、千葉市、川崎市、横浜市の水道料金(上水)を調べてみました。
東京都ではほとんどの区市町村を東京都水道局が管理しており、23区内はどこも水道料金(上水)は同額です。
首都圏の大都市でも単価設定が異なるので、同じ使用量でも料金は異なります。水道料金の違いを確認するため、条件を揃えて試算してみました。水道料金は2ヶ月ごとに請求があるので水道料金(上水)は2ヶ月分、水道管の口径は20mm、1ヵ月あたりの水道使用量は20㎥(2ヶ月で40㎥)の場合の2ヶ月間の水道料金を計算してみると、それぞれ下記のようになります。
・ 23区…5,120円(消費税が10%だと5,632円)
・ さいたま市…6,360円(消費税が10%だと6,996円)
・ 千葉市…5,920円(消費税が10%だと6,512円)
・ 横浜市…4,912円(消費税が10%だと5,403円)
・ 川崎市…4,220円(消費税が10%だと4,642円)
川崎市が比較的低額で、さいたま市と比べると2ヶ月で2,140円(税抜)の差になります。1ヵ月あたり1,070円なので小さな差のように感じるかもしれませんが、さいたま市は川崎市の約1.5倍であることを考えると、意外と大きな差なのかもしれません。23区はこの5区市では平均的な設定になっています。
●下水道使用料はさいたま市が比較的高額
次に東京23区とさいたま市、千葉市、横浜市、川崎市の下水道使用料を調べてみました。下水道も基本料金と従量料金を合算して求めますが、下水道の使用量を測定するのは難しいからか、どこも水道料金(上水)の使用量をそのまま利用しています。
下水道使用料の違いを確認するため、上水と同条件(1ヵ月あたりの使用量20㎥×2ヶ月分)で試算してみました。
・ 23区…3,760円(消費税が10%だと4,136円)
・ さいたま市…4,472円(消費税が10%だと4,918円)
・ 千葉市…3,700円(消費税が10%だと4,070円)
・ 横浜市…3,700円(消費税が10%だと4,070円)
・ 川崎市…3,920円(消費税が10%だと4,312円)
下水道使用料もさいたま市が比較的高く、千葉市や横浜市とは2ヶ月で772円(税抜)の差があります。23区と川崎市も千葉市等とあまり差がないので、さいたま市の高さが少し目立ちます。
水道料金(上水)と下水道使用料を合計すると下記になります。
・ 23区…5,120円+3,760円=8,880円(消費税が10%だと9,768円)
・ さいたま市…6,360円+4,472円=10,832円(消費税が10%だと11,914円)
・ 千葉市…5,920円+3,700円=9,620円(消費税が10%だと10,582円)
・ 横浜市…4,912円+3,700円=8,612円(消費税が10%だと9,473円)
・ 川崎市…4,220円+3,920円=8,140円(消費税が10%だと8,954円)
最も低額なのは川崎市(8,140円)で、最も高額なのはさいたま市(10,832円)となりました。消費税課税前で2ヶ月あたり2,692円の差があるので、消費税が8%だと2,907円の差、増税後の10月以降は2,961円の差になります。
このように普段何気なく使っている水道も、住む場所によって料金が異なります。少しでも支出を抑えたいなら低額な地域に住むと良いですが、他に電気代やガス代、固定資産税等も地域によって異なるので、水道料金だけでは最適な判断はできません。地域によって料金に差があることを理解しつつ、必要不可欠な水を安心して使えることに感謝しながら日々生活しきたいものです。
試算の1ヵ月あたり20㎥はおおよそファミリー世帯の使用量です。単身世帯の使用量は試算よりかなり少ないので、区市町村による差はかなり小さくなります。また、地下水を利用している地域では水道料金の計算方法が異なります。水道料金の詳細については、役所(水道局)のホームページ等で確認してみて下さい。
松浦建二(CFP ®認定者・1級FP技能士)
青山学院大学非常勤講師/FPとして個人向けや中小法人向けコンサルティング業務やFPに関する講演・執筆を主に、金融商品の販売代理業務等を行っています。各メディアにて取材協力も行っています。
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