【購入したマイホームの平均的な価格と広さ】
いつかは欲しい一戸建てのマイホーム、既に手に入れた人はどのようなマイホームを手に入れたのでしょうか?大手住宅会社3社の公開資料から、住宅購入者の平均価格と面積を調べてみました。
確認した資料は、積水ハウス「Financial Factbook」の各年、大和ハウス「Financial Factbook」の各年、ミサワホーム「決算説明資料(Financial Fact Data)」の各年で、積水ハウスの年度は2月から1月(例えば2018年度は2018年2月~2019年1月)、大和ハウスとミサワホームは4月から3月としています。
- 積水ハウスの家は16年間で平均10㎡小さくなっている
最初は積水ハウスの購入者平均です。1棟当たりの金額と面積は注文住宅(請負契約)の平均値です。左側の目盛は1棟当たり売上金額(単位:千円)、右側の目盛は1棟当たり面積(単位:㎡)で、2002年度~2018年度まで17年分をグラフにしてみました。
資料:積水ハウス「Financial Factbook」(2007年度~2018年度)
積水ハウスの家は年々平均価格が上昇しています。2002年度の平均は2961万円で、2004年度に2934万円まで下がりますが、その後は2018年度までほぼ一本調子で上がり続け、2018年度は3875万円になっています。2004年度から2018年度までの14年間で942万円も上がっています。そして面積は2002年度の147.8㎡から2018年度には138.0㎡へ10㎡近く減っています。
おおよその坪単価と言える3.3㎡当たり売上金額でみると、2002年度は66.2万円だったのが、2018年度には92.8万円になっています。つまり、家の広さは狭くなっているのに価格は上がり続けています。20年弱で相当な価格上昇と言えます。
昨今の旺盛な建設需要による人件費上昇や、金利が非常に低いことから返済額が抑制されて購入者の予算が増えている事等も影響していると考えられます。積水ハウスの戦略として高級化を考えているのかもしれません。いずれにせよ、もし積水ハウスで家を建てたいなら、今の単価に合わせた資金計画が必要です。
●大和ハウスの家は18年間で平均1200万円もアップしている
次に大和ハウスの購入者平均です。一戸当たりの平均売上金額と平均売上面積は戸建住宅(鉄骨+木造)の平均値で、分譲住宅は含まれていません。左側の目盛は一戸当たりの平均売上金額(単位:百万円)、右側の目盛は一戸当たりの平均売上面積(単位:㎡)で、2000年度~2018年度まで19年分をグラフにしてみました。
資料:大和ハウスFinancial Factbook(2002年度~2018年度)
大和ハウスの家も年々平均価格が上昇しています。2000年度の平均は2540万円でしたが、2018年度には3730万円となっています。2000年度から2018年度までの18年間で1190万円(46.9%)も上がっています。その一方で面積は2000年度の143.2㎡から2018年度には135.7㎡へ7.5㎡減っています。特に2005年度からの4年間で大きく減っており、ここ数年は少し広くなってきています。
平均価格が大きく上昇し、面積は狭くなっているのは積水ハウスとよく似た傾向にあります。大和ハウスで家を建てたい人も、ひと昔前より予算は余裕をもって計画したいものです。
●ミサワホームはコンパクトな家が似合う?
最後にミサワホームの購入者平均です。1棟当たりの平均受注金額と平均延床面積は注文住宅の平均値で、建売分譲住宅は含まれていません。左側の目盛は1棟当たりの平均受注金額(単位:百万円)、右側の目盛は1棟当たりの平均延床面積(単位:㎡)で、2004年度~2018年度まで15年分をグラフにしてみました。
資料:ミサワホーム決算説明資料(2006年3月期~2019年3月期)
ミサワホームの家も年々平均価格が上昇しています。2004年度の平均は2553万円でしたが、2018年度には2814万円となっています。2008年度から2009年度にかけて100万円程度下がりましたが、そこから盛り返し2010年度からの8年間では307万円(12.1%)上がっています。
延床面積でも他の2社と同じ傾向にあり、2004年度の129.2㎡から2018年度には119.7㎡へ9.5㎡減っています。
積水ハウスと大和ハウス、ミサワホームの平均価格と面積を比べると、価格はミサワホームが他の2社より1000万円前後低く、面積もミサワホームが16~18㎡程コンパクトな大きさになっています。大手住宅会社でも積水ハウスや大和ハウスとミサワホームでは、構造の違いもあるからか、求められている家に違いがあるようです。
住宅会社は星の数ほどあるので、その中から最適な一つを選ぶのは至難の業です。ここで取り上げた3社は日本を代表する住宅会社なので、強度やデザイン力等、どれも素晴らしいものがあります。しかしその分、価格も高めになります。選ぶ際の考え方は自動車や洋服等と同じで、好みや価格帯が自分に合っていることが大事です。自分らしくいられる家に出会えると良いですね。
松浦建二(CFP ®認定者・1級FP技能士)
青山学院大学非常勤講師/FPとして個人向けや中小法人向けコンサルティング業務やFPに関する講演・執筆を主に、金融商品の販売代理業務等を行っています。各メディアにて取材協力も行っています。
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