中古マンションの築年数の狙い目は?価格や耐震面をチェック!
中古マンションは新築よりも安価で、築年数の古い物件は物件価格が安定しています。物件の購入費用を抑えるために、中古マンションの購入を検討している人も少なくありません。
購入前には具体的な費用相場や狙い目の築年数などを把握しておくと、より理想的な物件が手に入りやすくなります。購入後の費用を抑えることにもつながるので、事前にチェックしておきましょう。今回は、中古マンションの購入時にチェックする築年数について解説します。
価格面では築30年程度の中古マンションが狙い目
価格面において、築30年程度の中古マンションは狙い目であり、その理由として以下のようなものが挙げられます。
・価格の下げ止まりは築25年以降
・大規模修繕は築26年~33年ごろ
・築年数が経過した中古マンションは修繕費用がかかる
ここからは上記の理由を詳しく解説していきます。修繕がいつ行われるのか、修繕費用はどれくらいなのかなどの情報も把握しておきましょう。
価格の下げ止まりが起こるのは築25年以降
中古マンションの物件価格は、築25年以降で下げ止まる傾向にあります。マンション情報サイト「マンションレビュー」より、築年数別における中古マンションの平均坪単価を参考に見ていきましょう。
参照元:マンション情報サイト「マンションレビュー」
上記のグラフでもわかるように、築年数が25年以降の中古マンションは平均坪単価が100万円前後で下げ止まりとなっています。価格面で見ると築30年前後のマンションは比較的安く、コストを抑えたい人にもおすすめです。
マンションの大規模修繕が行われるのは築26~33年ごろ
26~33年ほど経つと、多くのマンションで2回目の大規模修繕が行われます。大規模修繕が行われる頻度は以下の通りです。
・1回目:築13~16年ごろ
・2回目:築26~33年ごろ
・3回目:築37~45年ごろ
入居後すぐに大規模修繕があるというケースを避けたい場合は、マンションの修繕履歴を事前にチェックしておきましょう。修繕履歴というのは、修繕の実施状況が記された記録で、宅建業者へ頼めば確認可能です。
宅建業者には買主へ修繕履歴を説明する義務があるため、記録が残っていれば説明してもらえます。修繕履歴がわかれば今後の修繕計画についても把握できるので、入居後の大規模修繕を避けられます。
ただし、記録が残っていない場合は確認できません。宅建業者は履歴の照会を行い、記録が存在しないとわかった時点で調査義務が果たされます。
築年数が経っている中古マンションは修繕費用がかかる
築年数が経過している中古マンションには修繕費用がかかるため、物件購入費以外の予算も用意しておく必要があります。各設備の寿命と交換費用を以下の表でチェックしておきましょう。
各設備の老朽化具合によって、交換する規模や部品の種類などは異なります。費用も前後するため、上記はあくまでも目安として参考にしてください。
耐震面では築38年未満の中古マンションが狙い目
耐震面においては、築38年未満の中古マンションが狙い目です。価格面だけでなく、耐震面でも中古マンションを購入すべきかどうか判断しましょう。
築40年未満の中古マンションは「新耐震基準」が設定されている
築40年未満の中古マンションには、「新耐震基準」という地震に耐えうるかどうかの基準が設定されているケースが多いです。新耐震基準は1981年6月1日以降の建物に適用された、新しい耐震基準です。震度6強~7程度の地震でも倒壊しない構造となっています。
一方、旧耐震基準の建物は震度5強程度の地震に耐えられる構造です。そのため、新耐震基準が適用された建物(築40年未満)は、築40年以前の建物よりも耐震強度が上がっています。
1981年6月1日以降に完成した建物であっても、必ずしも新耐震基準の認定を受けているとは限りません。築40年丁度の建物は旧耐震基準の可能性もあるので、不安な場合は担当者に聞いておきましょう。
築40年以上の中古マンションに住めないわけではない
耐震面に不安があるとしても、築40年以上の中古マンションに住めないわけではありません。鉄筋コンクリート造の建物は寿命が100年以上ともいわれているほか、税法上定められている耐用年数は47年です。
さらに、築年数の古い中古マンションだったとしても、耐震工事が行われることで耐震強度はアップします。新耐震基準を満たす耐震性となりえるため、築40年以上のマンションにも住むことができるといえます。
耐震性は地盤や周囲の環境によっても左右されるものであり、築年数だけで判断できるものではありません。新耐震基準の認定を受けていても、地盤が緩かったり、周囲に倒壊の恐れがある建物があったりすると、購入したマンションも倒壊してしまう恐れがあるのです。
築年数ごとの中古マンションの特徴まとめ
築30年程度のマンションが狙い目であることも踏まえて、築年数別に中古マンションの特徴を解説します。
築1~5年の中古マンションは新築同様の設備がある
築1~5年の中古マンションは、以下のように新築同様の設備が整っています。
築1~5年の中古マンションは設備や構造、内装などが新築同様です。新築に比べて物件価格が低く、ハウスクリーニングを行うだけで住める物件もあります。少しでもコストを抑えつつ新築のようなマンションに住みたい人は検討してみましょう。
築5~10年の中古マンションはまだ修繕が必要ないケースが多い
築5~10年の中古マンションは、入居後の修繕が必要ないケースも多いです。築5~10年の中古マンションの特徴は以下のようになります。
前述の通り、1回目の大規模修繕は築13~16年で開始される傾向にあります。そのため、築5年程度の中古マンションであれば、大規模修繕はすぐに始まりません。マンションの購入にかかるコストを抑えたい人や、予算に合わせて少しでも新築に近い物件へ住みたい人におすすめだといえるでしょう。
一方、築10年程度の中古マンションを購入した場合は、住み始めてから2~3年程度で大規模修繕が始まる可能性があります。修繕積立金の値上げが検討されるケースがあることを押さえつつ、物件の購入を検討するようにしましょう。
築11~20年の中古マンションは設備と価格のバランスが取れている
築11~20年の中古マンションは、設備と価格のバランスが取れた物件が多いです。築11~20年の中古マンションの特徴を見ていきましょう。
築11年~20年の中古マンションは築浅に分類されません。物件価格は手ごろで、予算内に収まりやすいマンションといえるでしょう。
新築より3割ほど安いため、4,000万円のマンションであれば2,800万円で購入できます。また、この築年数のマンションであれば、リフォーム価格の目安は600万円以下です。新築同様にリフォームしたとしても割安なので、コストを抑えたい人はもちろん、中古マンション購入後にリフォームを検討している人にもおすすめできます。
築20~30年の中古マンションは資産価値が下がりにくい
築20~30年の中古マンションは資産価値の下がりにくい物件です。築20~30年の中古マンションの特徴は以下のようになります。
前述の通り、築20~30年ごろの中古マンションの物件価格は下げ止まりする傾向にあります。管理状況によっては、築古のマンションであっても資産価値は下がりにくくなっています。新耐震基準に認定された、安価な中古マンションを探している人におすすめといえるでしょう。
築30~40年の中古マンションは狙い目の築年数
築30~40年の中古マンションは比較的安価な物件が多く、価格的に狙い目の築年数です。築30~40年の中古マンションの特徴を見ていきましょう。
マンション建築の際は、なるべく好立地な場所に物件を建てようとするのが一般的です。立地は早い者勝ちなので、古くからあるマンションは好立地な可能性があります。
また、「価格面では築30年程度の中古マンションが狙い目」の項目でも述べたように、この築年数の中古マンションは購入しやすい価格帯といえます。新耐震基準に認定されたマンションも多いので、安心できるマンションを安価で購入したい人におすすめです。
築40年以降の中古マンションは「ヴィンテージマンション」として人気の物件もある
築40年以降の中古マンションのなかには、「ヴィンテージマンション」として注目されているものも少なくありません。築40年以降の中古マンションの特徴は以下の通りです。
築40年以上の中古マンションはヴィンテージマンションとも呼ばれ、好立地で安価、独特なデザインの物件も多いです。室内の老朽化が気になる場合はフルリノベーションやリフォームなどにより、新築同様の部屋に住むことができるため、レトロな外観を好む方におすすめといえます。
また築40年以上経過していると、物件の価値がどの程度なのかすぐにわかります。資産価値が把握しやすいことも、おすすめできるポイントといえるでしょう。
まとめ
築30年程度の中古マンションは安価であることはもちろん、耐震面においても安心できる物件が多いです。物件価格が安定しているので、好立地な物件でも予算内に収めることができるでしょう。リフォームやリノベーションを行っても新築マンションより割安になることも多いため、コストを抑えたい人は中古マンションの購入を検討してみましょう。
ただし、物件価格や築年数だけでなく、耐震面にも注意しなければなりません。築40年を目安に、新耐震基準を満たしているかどうかもチェックしておきましょう。
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