【フラット35Sのお得度が凄い!】
住宅を購入する時、多くの人は住宅ローンを利用します。銀行の住宅ローンを利用する人もいれば住宅金融支援機構のフラット35を利用する人もいます。借入なので返済額は1円でも少ない方が良く、そこで、今回はフラット35の金利を引き下げできるお得なフラット35Sについて、どのくらいお得なのか、どの様にしたら利用できるのかみていきます。
フラット35Sは借入額1000万円あたり24万円もお得!
フラット35は住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供している全期間固定金利の住宅ローンです。金利の変動に対応できませんが、返済額を確定できる安心感があります。現在は非常に低金利であり、今後金利が更に下がる余地は限られていることから、魅力的な住宅ローンと言えます。
そして、フラット35Sは質の高い住宅を取得すれば、フラット35の金利を一定期間引き下げてもらえるお得な制度です。
- フラット35S(金利Aプラン)……当初10年間の借入金利を▲25%
- フラット35S(金利Bプラン)……当初5年間の借入金利を▲25%
借入額1000万円あたりの返済額と返済差額を試算してみました。借入金利は現在の平均的水準である1.35%にしています。表の返済差額はフラット35の総返済額との差額です。
フラット35S金利Aプランの返済額をフラット35と比べると、借入額1000万円あたり24万円もお得になります。金利Bプランでも13万円お得になります。仮に4000万円借りたとしたら、金利Aプランで96万円、金利Bプランで52万円もお得に(返済額が少なく)なります。
フラット35Sを利用するための住宅とは?
金利を優遇してもらうためには質の高い家にする必要があります。質とは「省エネルギー性」「耐震性」「バリアフリー性」「耐久性・可変性」のことで、これら全ての質を高めるまでは必要ありませんが、何れかの質は高める必要があります。基準の概要は下記の通りです。
質の高い家になれば、より安心して住め、資産価値も高まります。良い事ばかりですが、質を高めるためには費用がかかります。建築するのであればメリットデメリットを十分に比較したうえで判断すると良いです。建売住宅の場合は、価格が同じならフラット35S対応の方が断然お得です。中古住宅の場合も一定の要件に該当すればフラット35Sは利用可能です。詳細は住宅金融支援機構フラット35Sのホームページで確認して下さい。
フラット35Sの住宅は地震保険料が最大5割引になる!
フラット35Sの耐震性の基準を満たしている建物は地震に強いことから、地震保険の保険料が大幅に割引されます。
例として、地震保険金額を建物1000万円、家財500万円で保険料を試算してみました。
前提条件:建物構造ロ構造/建物所在地東京都/保険期間1年一時払い
■何も割引なし……建物42,200円・家財21,100円 計63,300円
■建築年割引適用……建物37,980円・家財18,990円 計56,970円(1割引)
■ 昭和56年6月1日以降新築の建物
■耐震等級2適用……建物29,540円・家財14,770円 計44,310円(3割引)
■耐震等級3適用……建物21,100円・家財10,550円 計31,650円(5割引)
■免震建築物適用……建物21,100円・家財10,550円 計31,650円(5割引)
耐震等級3で5割引になると、保険料は建築年割引適用と比べて1年間で25,320円もお得になります。保険料は将来変わるでしょうが、30年も住めば75万円くらいの差にはなりそうです。
フラット35Sの住宅は、その他にも税金や住宅ローン控除の優遇等が考えられます。多少の費用はかかりますが、家の質が高まり、様々なお得があるので、住宅を取得する際は検討してみる価値が多いにあります。ただ、制度がかなり複雑なので、ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談して確実に話を進めて行くようにしましょう。
松浦建二(CFP ®認定者・1級FP技能士)
青山学院大学非常勤講師/FPとして個人向けや中小法人向けコンサルティング業務やFPに関する講演・執筆を主に、金融商品の販売代理業務等を行っています。各メディアにて取材協力も行っています。
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