グリーン住宅ポイント制度とは?条件や申請方法を解説

グリーン住宅ポイント制度とは?条件や申請方法を解説

 

2020年12月15日に、住居の購入をお得にできる「グリーン住宅ポイント制度」が誕生しました。新築物件の購入を検討している人におすすめの制度なのですが、制度名だけではどのような制度なのか少々わかりづらいと感じる人もいることでしょう。今回はさまざまなメリットがあるグリーン住宅ポイント制度について詳しく解説していきますので、お悩みの方はぜひ参考にしてください。

 

 

グリーン住宅ポイント制度とは?

グリーン住宅ポイント制度とは、2020年初頭から流行した新型コロナウイルスによって、新築物件の売上が落ち込んだ結果を考慮して誕生した制度です。新型コロナウイルスの影響によって、新築戸建ての平均購入価格および、高額物件の契約率は大きく落ち込みました。このような経済状況を打開するために、政府は物件の購入やリフォームを行った人を対象にグリーン住宅ポイントを発行することを決めました。

 

発行期間は2021年10月31日まで

グリーン住宅ポイント制度の申請期間は2021年10月31日までであり、この期間内に住宅の工事請負契約が行われている必要があります。ただし、工事請負契約が済んでいれば申請可能なので、物件の引渡しが10月31日を過ぎている方でも利用できます。

 

次世代住宅ポイント制度との違い

2020年11月までは「次世代住宅ポイント制度」がありましたが、同じポイント制度であるグリーン住宅ポイント制度とは明確な違いがあります。次世代住宅ポイントは消費税率が10%に引き上げられることによる需要変動を押さえるために、住宅のリフォームをすることでポイントを得られました。

 

対してグリーン住宅ポイント制度は、リフォームに加えて住宅の購入が含まれているため、ポイント発行の対象が広がっています。このように、これら2つの制度は確立された背景や対象が異なっているのです。

 

 

グリーン住宅ポイント対象となるケース

グリーン住宅ポイントは、単に物件を購入するだけではもらえない可能性があります。購入する物件にも条件があるため、対象となる条件について見ていきましょう。

 

新築住宅を購入・建築した場合

新築物件を購入、もしくは建築した場合は下記の要件をクリアすることでポイントが得られます。

 

・契約時に建築1年以内であり、第三者が未入居の住宅である
・購入者が自ら居住している
・下記のいずれか、もしくは両方を満たす物件であること
①高い省エネ性能等を有する住宅(認定長期優良住宅、認定低炭素建築物等)
②一定の省エネ性能を有する住宅(断熱等級4かつ一次エネ等級4以上を満たす住宅)
・分譲住宅の売主は、宅地建物取引業免許を有すること

 

両方の要件に共通しているのは省エネ性能の高さなので、新築物件を立てる際は省エネ性能について事前に把握しておきましょう。

 

中古住宅を購入した場合

グリーン住宅ポイントは新築物件のみならず、中古で購入した住宅も対象になっています。しかしすべての中古住宅が対象になるわけではなく、下記の要件を満たす必要があります。

 

 

③災害リスクが高い区域からの移住のための住宅であること
④住宅の除却に伴い購入する既存住宅であること

 

中古住宅の条件は新築の住宅と比較すると少々厳しいものになっています。特に、東京圏の対象地域は東京23区等人が多い地域はすべて該当しています。そのため、首都圏の人が中古住宅を購入してグリーン住宅ポイントを得るのは難しいといえるでしょう。

 

住宅をリフォームした場合

一部のリフォームを行う場合でもグリーン住宅ポイントを得ることができますが、住宅の購入よりも条件が細かくなっています。

 

 

①~③までの工事のいずれかは必ず行う必要がある工事で、施工場所や回数によってポイントが変わります。上記の工事と併用した工事が④~⑥に当てはまった場合、それらのポイントも一緒に加算されます。

 

獲得ポイントは工事の内容によって細かく決まっていますが、合計ポイントが5万ポイントを上回らないと申請することができません。必須の工事を行ったとしても、獲得ポイントが5万ポイント未満の場合はグリーン住宅ポイントの申請基準をクリアしていないことになります。

 

賃貸住宅を建築した場合

賃貸住宅を建築した場合は、下記の要件を満たした物件を建てることでポイントを得られます。

 

・床面積が40㎡以上である
・区分単位ではなく棟単位で申請すること
・戸建て住宅や店舗等の併用住宅ではないこと
・建築物省エネ法に基づくトップランナー制度の基準をクリアしている

 

賃貸住宅の場合は、新築住宅や中古住宅とは違って、自ら居住している必要はありません。戸建て住宅や店舗等との併用住宅ではない等の条件はありますが、ほかの条件と比較してもクリアしやすくなっています。

 

 

グリーン住宅ポイントの使い方

ここからは、実際に発行されるポイント数とポイントの使い道について紹介していきます。

 

発行されるポイント数

発行されるポイント数は物件によってそれぞれ変わるので、事前にチェックしておきましょう。主に下記の3つのケースでポイント数が変化します。

 

新築住宅を購入・建築した場合

・高い省エネ性能等を有する住宅は40万ポイント/戸(特例に該当する場合は100万ポイント/戸)
・一定の省エネ性能を有する住宅は30万ポイント/戸(特例に該当する場合は60万ポイント/戸)

 

※特例の条件(いずれかに該当)
①東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県※一部地域を除く)からの移住で建てる住宅
②18歳未満の子どもが3人以上の世帯がいる
③三世代同居仕様の住宅
④災害リスクが高い区域からの移住のための住宅

 

通常は30万ポイントや40万ポイントを獲得しますが、特例に該当することで最大100万ポイントを得ることができます。

 

中古住宅を購入した場合

①下記のいずれかに該当する場合は30万ポイント/戸
 ・空き家バンクに登録されている住宅
 ・東京圏からの移住のために購入する住宅
(東京圏:東京都在住、もしくは付近の県から東京に通勤している人が東京圏外に移住する場合)
 ・災害リスクが高い区域からの移住のための住宅であること

 

②住宅の除却に伴い購入する既存住宅であれば15万ポイント/戸

 

①と②に該当した場合は、合計45万ポイントを獲得できます。

 

住宅をリフォームした場合

発行ポイント:上限30万ポイント/戸(特例に該当する場合は60万ポイント/戸)
※特例にあたる条件
①40歳未満の若者、あるいは18歳未満の子どもがいる子育て世帯(上限は45万ポイントで、既存住宅の購入が伴う場合は60万ポイント)
②①以外の世帯(上限は30万ポイントだが、安心R住宅を購入し、リフォームを行う場合は45万ポイントまで引き上がる)

 

リフォームによる獲得ポイントが多くても、特例に該当しない限りは上限の30万ポイントのみの獲得となるので注意しましょう。

 

賃貸住宅を建築した場合

発行ポイント:10万ポイント/戸(特例はなし)

 

賃貸住宅の場合は獲得できるポイント数が少ないですが、元々グリーン住宅ポイント制度は落ち込んだ住宅需要回復を目指した制度です。居住用の住宅がメインであるため、賃貸住宅の獲得ポイントが少ないことを頭に入れておきましょう。

 

 

加算されたポイントの使い方

加算されたポイントには下記のように2つの使い道があります。

 

追加工事費の支払いに使う

住居を購入するときや、追加の工事をする場合の工事費用の支払いに使用できます。該当する工事は下記の通りです。

 

・「新たな日常」に資する追加工事
①ワークスペース設置工事
②音環境向上工事
③空気環境向上工事
④菌・ウイルス拡散防止工事
⑤家事負担軽減に資する工事

 

・防災に資する追加工事
①停電・断水対策
②水害・台風対策
③地震対策(躯体に関する耐震対策を除く)

 

商品と交換する

加算されたポイントを利用して、下記のような商品と交換することができます。

 

・冷蔵庫SJX414H(400~499L)ブラウン系→164,500ポイント
・静岡県産クラウンマスクメロン2個→11,800ポイント
・STAN.IH炊飯ジャー5.5号→37,000ポイント

 

上記のように、日常で役立つ商品や地元の名産品と交換することができます。

 

 

グリーン住宅ポイントの申請方法

ここではグリーン住宅ポイントの申請方法について紹介していきます。申請期限が近いため、スケジュールには余裕を持って申請をしましょう。

 

申請タイミング

申請のタイミングは基本的に、物件の購入やリフォーム等の契約後に必要な書類を揃えて、送付することになります。期限である10月31日前に物件の引渡しが行われるか、10月31日以後に引渡しなのかによって申請のタイミングは変わります。

 

・期限までに物件が引き渡された場合
①工事請負契約または売買契約
②工事または住宅の引渡し
③必要書類の準備
④ポイント発行申請

 

・期限後に物件が引き渡された場合
①工事請負契約または売買契約
②必要書類の準備
③(完了前)ポイント発行申請

 

申請にあたって必要な書類

申請に必要な書類は下記の通りです。

 

①引渡し完了後申請の場合
・完了後ポイント発行申請書【い-1】
・申請者の住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの)
・建築基準法に基づく検査済証の写し
・住宅の省エネ性能等を証明する書類の写し(住宅証明書等)

 

また、注文住宅や分譲住宅の場合は、上記の加えて下記の書類が必要になります。

 

■注文住宅
・工事請負契約書の写し
・工事証明書(注文用)
・分離発注事業者一覧

 

■分譲住宅
・不動産売買契約書の写し
・販売証明書

 

②引渡し完了前申請の場合
・完了前ポイント発⾏申請書【い-2】
・申請者の本⼈確認書類の写し(マイナンバーや保険者番号および被保険者等記号・番号等、ならびにQRコードは必ず塗りつぶして提出すること)
・建築基準法に基づく確認済証の写し
・住宅の省エネ性能等を証明する書類の写し(住宅証明書等)

 

また、注文住宅や分譲住宅の場合は、上記に加えて下記の書類が必要になります。

 

■注文住宅
・工事請負契約書の写し
・工事計画書(注⽂⽤)
・分離発注事業者一覧

 

■分譲住宅
・不動産売買契約書の写し
・販売計画書(分譲⽤)

 

申請の手順

必要書類を集めて申請を進めなければいけませんが、引越し完了前申請の場合は、ポイント発効後に完了報告を行う必要があります。完了報告を行わなかった場合、ポイントの返還を求められるため注意しましょう。なお、ポイント返還を求められた際、すでにポイントを利用していた場合は現金で返金する必要があります。

 

 

まとめ

グリーン住宅ポイント制度を利用するためには一定の条件をクリアする必要があります。細かい規定も多く、すべての物件が対象になるわけではありません。

 

また、申請基準は物件やリフォーム内容によって大きく異なるため、事前に確認する必要があります。申請期限を過ぎてしまうと利用できなくなってしまうので、制度の利用を考えている人はなるべく早めに申請するようにしましょう。

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