新築工事で延期(延滞)した場合と契約書の確認ポイントとは?

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新築工事で延期(延滞)した場合と契約書の確認ポイントとは?

 

新築物件を建てるときに作られる契約書には、物件の引渡し日が記載されています。口頭でも物件の引渡し日は伝えられますが、何らかの要因で新築工事が遅延し、引渡し日までに物件が完成しないケースも稀にあり、予定通りに引渡しが行われないことも少なくありません。

 

予定の引渡し日までに物件が完成しなかった場合、金銭トラブルなどの問題に発展することもあります。工事が延期されときも対処できるように、今回は新築工事が延滞したときの確認ポイントや注意点について解説していきます。

 

 

まずは新築住宅の引渡し日を確認しよう

物件の引渡し日は契約書に必ず明記されているので、最初に引渡し日の確認をしましょう。建売住宅を購入した場合は売買契約書に、注文住宅を建てるのであれば建築工事請負契約書に記載されており、書面を見ることで引渡し日を把握できます。

 

また、実際に引渡しが行われたときも、書類に記載されている引渡し日と同じであるかを確認しましょう。仮に引渡し日と異なっていた場合、日付を間違えて覚えていてはそのまま引渡しが進んでしまい、建築会社に何もいえなくなってしまう恐れがあります。

 

引渡し日に間違いがなく、住宅の引渡しが明確に遅れていた場合は建築会社の責任になる可能性が高いです。引渡し日通りに、引越しの手続きや子どもの転入手続きなどを済ませていても、引渡しが遅れることによって今後の予定が狂ってしまいます。口頭で引渡し日を伝えられたとしても、必ず書面に記載されている日付をチェックしておきましょう。

 

ここまで契約書に記載されている日付を確認することが重要だと述べてきましたが、そもそも建築工事請負契約とは具体的にどのような契約なのでしょうか。ここからは建築工事請負契約について詳しく見ていきましょう。

 

建築工事請負契約とは

建築工事請負契約とは、住宅の建設やリフォーム工事を行う施工会社と締結する契約のこと指します。契約書には工事内容や着工と完了の日時、引渡し日などが記載されています。

 

工期が延長してしまうなどのトラブルに関する対応方法も記載されていることも多いため、引渡しが遅れたときは建築工事請負契約書を確認しましょう。契約を締結する際には建築工事請負契約以外にも、「工事請負契約約款」、「設計図面」、「工事代金見積書」が交付されるため、これらも一緒に見ておきましょう。

 

 

新築住宅の工事で確認すべき契約書のポイント

契約書にはさまざまな事柄が書かれているため、どこを確認したらいいのかわからなくなってしまうかもしれません。もしものときでも焦らないように、ここでは引渡しに関する5つのポイントについて解説していきます。

 

スケジュール

契約書には工事の着工日と完成日、物件の引渡し日が必ず明記されています。スケジュールは基礎工事の終了時期など、細かく記載されているため、無理のないスケジュールなのかを確認するようにしましょう。

 

空欄や「未定」など、曖昧な表現がされている部分があるときは施工会社の担当者に問い合わせをすることで、詳細なスケジュールを把握することができます。工事が進んでいる状況でも、たまにスケジュールを確認して進行状況のチェックをしておきましょう。

 

支払金額と時期

契約書には工事費用のほか、物件購入費用の残代金の支払金額や時期も記載されています。残代金の支払いは引渡し日と同日に行うことが多いため、引渡し日が遅延している場合は支払いも遅れることになります。引渡しが遅れた場合の残代金の支払いに関するルールも契約書に書かれていることが多いので、支払日についても必ず確認をしましょう。

 

ローン特約

過去に起きたさまざまな事件によって、新築物件を建てる場合、契約書にローン特約という条項が追加されるようになりました。金融機関への借入申請が一部、もしくは全額承認されなかった場合に契約が解除をすることができる旨を契約書に明記する必要があります。

 

契約が解除になった場合は、着手金から契約解除までにかかった費用を除いた金額が買主や施主に返却されます。稀にローン特約が盛り込まれていない契約書もあるので、契約書にローン特約が記載されているかをチェックしましょう。

 

違約金

違約金とは、買主と売主、施主と施工会社のどちらかが契約不履行に陥った際に発生するキャンセル料金のことです。契約書には違約金についての条項が盛り込まれており、ルールに違反してしまうと違約金が発生します。工事中に施主が契約を解除することも可能ですが、違約金として工事にかかった費用が請求されるため、違約金発生のタイミングと金額についても確認しておきましょう。

 

保障・アフターサービスの有無や内容

物件の引渡し後、不具合などがあった場合のアフターサービスについても確認しましょう。外壁にヒビが入っている、床が傾いているなどの不具合を見つけた場合に、有償もしくは無償で対応してくれるサービスです。

 

注文住宅の場合、売主側が10年の瑕疵担保責任を負うことが義務づけられているので、まずはこの範囲を確認しましょう。なお、瑕疵担保責任の保証範囲外の不具合について、アフターサービスの欄でフォローされているかも確認することが重要です。

 

もし新築住宅の工事でした延期した場合はどうなる?

仮に新築住宅の工期が延期になってしまった場合、以下の2つのことを確認しなければいけません。

 

・延期後の引渡し日の確認
・違約金の請求の可否

 

それぞれ詳しく解説していきましょう。

 

延期後の引渡し日の確認方法

施工会社や売主から引渡し日の延期について連絡があったときは、延期の理由と延期後の引渡し日について確認しましょう。延期後の引渡し日を施主が把握しない限りは、引越しの段取りなどを組むことができなくなってしまいます。

 

延期の理由について不明点や理解できない点があった場合は詳しい説明をしてもらうように質問することはもちろん、再度の延期の可能性についても聞いておくといいでしょう。再度の延期の可能性があるのなら、延期している原因を追及して解決してもらう必要があります。

 

違約金の請求が可能なケース

工事の遅延について納得のいく説明をしてもらった後は、違約金請求について確認しましょう。施工会社の責任で引渡し予定日までに物件の引渡しがされていないのであれば、履行遅延となって違約金請求が可能になります。なお、違約金を請求することができるケースとして下記のようなものがあります。

 

・正当な理由なく、着手期日を過ぎても工事に着手しないとき
・工事が著しく遅れて、引渡し期限後相当期間内に工事を完成する見込みがない場合
・設計図面にミスがあり、工事が大幅に遅れたとき
・人手の減少により、工事が予定通りに進まなかった場合
・正当な理由なく施工会社が契約の解除を求めたとき
・施工会社が建築基準法などの法令に違反したとき

 

上記のように、施工会社や売主に明確な非があるときは違約金を請求することができますが、実際に違約金を請求するケースは多くありません。延期の理由が施工会社の非によるもので、延期が長期間にならない限りは多少の延期が発生しても、延期を承諾することがほとんどです。

 

違約金の請求には弁護士の協力が必要になり、手間や時間がかかります。よほど悪質な会社と取引しない限りは、延期による違約金請求まで話が進まないでしょう。また、以下のような場合は違約金の請求は難しいといわれています。

 

・想定外の大雨によって工事が進まなかったとき
・台風や津波によって建設予定地が被害に遭った場合
・大地震などの災害によって周辺のインフラが麻痺し、部材の搬入ができなかったとき
・想定外の事故などによって、建設中の住宅が壊れてしまった場合
・建設予定地の地中から埋設物が出てきたとき

 

自然災害や第三者が関わる事故による被害は、誰にも予想できない事態です。上記のようなケースは不可抗力と判断されるため、違約金を請求することはできません。

 

 

新築住宅の工事が延期した際に注意したいこと

新築住宅の工事が延期した場合は、焦らず冷静に対処する必要があります。ここでは住宅工事が延期した際に注意してほしいポイントについて解説していきますので、詳しく見ていきましょう。

 

立会検査を入念に行う

引渡し日が遅れると、なるべく早期に物件を引き渡そうとして施工ミスを起こしてしまう可能性が高まります。突貫工事で建てられた物件は不具合が起こりやすいため、引渡し前に行う立会検査を入念に行うようにしましょう。内装仕上げから床下の配管接続、天井裏など細かいところまで確認することが重要です。

 

未完成住宅の引渡しを受けない

物件が完成していないのにもかかわらず、買主に引渡しを行おうとする売主や施工会社も少なからず存在します。仮に引渡しを受けてしまうと、工事が中途半端に終わるだけでなく、残代金の請求をされることもあります。未完成住宅の引渡しを提案されたときは必ず断り、もし執拗に迫られた場合は弁護士など法律に強い第三者に相談しましょう。

 

新築住宅ができるまで残代金を支払わない

未完成住宅の引渡しを断ったところで、今度は残代金を支払ってほしいと依頼する業者もいます。残代金の支払いは完成物件の引渡しが終わってから行われるため、そのような場合は残代金を支払う必要がありません。悪質な業者に依頼してしまったときは、契約書を見ながら話し合う、あるいは弁護士や自治体に相談するなど、冷静に対処するようにしましょう。

 

 

まとめ

引渡しの延滞は新築の住宅のみならず、どんな物件でも起こる可能性があります。そのため、施工会社に工事の進捗状況を定期的に聞き、遅延が発生していないかどうか確かめる必要があります。連絡を密に取っておくことで、引渡しに関するトラブルを避けることができるようになるでしょう。

 

また、実際の工事現場を見学することも重要です。工事風景を見ながら、作業に励む職人とコミュニケーションを取ってみても良いでしょう。引渡し日が遅れた場合でも冷静に対処し、余計なトラブルを避けるようにしましょう。

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