マイホーム購入にかかるお金はいくら?
マイホームを購入したいけれど、どのくらいのお金がかかるのか見当がつかず、購入への一歩をなかなか踏み出せないという方も多いのではないでしょうか。マイホームの購入は一生の買い物とも呼ばれており、相応の費用がかかることが予想されます。
マイホームの購入を考える際、必要になる費用について具体的に把握しておくことが大切です。今回は、マイホームの購入でかかる費用のほか、住宅購入で利用できる助成金について解説していきますので、お悩みの方はぜひ参考にしてください。
マイホーム購入にかかるお金はいくら?
まずはマイホームの購入で必要になる費用について解説します。「不動産取得にかかわる費用」「住宅ローンにかかわる費用」「税金」「その他の費用」の4項目に分けています。
不動産取得にかかわる費用
マイホームの購入で、決済時に支払う必要のある費用は、主に以下の6つです。
■頭金
住宅購入時に支払い、後ほど物件価格の一部に充当されるお金です。頭金には住宅用に準備してきた貯蓄を用いることが多いです。
■申込証拠金
新築の建売戸建住宅やマンションの購入時に、「買います」という意思表示をするために支払うお金です。こちらも後ほど物件価格の一部に充当されます。
■手付金
売買契約の終結時に売主へ支払うお金で、解約手付としての役割も果たします。目安は購入価格の5%~10%です。
■印紙税
売買契約書に添付して納税する形の税金です。契約金額により、印紙代も変わります。
■仲介手数料
住宅会社などを仲介して土地や建物を購入した場合に、その仲介業者へ支払う手数料です。法律により上限額が決まっています。
■登記費用
所有権の保存・移転、抵当権の設定登記などで登録免許税がかかります。司法書士に依頼した場合は、報酬を支払う必要もあります。
住宅ローンにかかわる費用
住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合は、以下の費用もかかります。
■印紙税
住宅ローンを組む金融機関との間で交わす「ローン契約書」に添付する印紙代です。なお、電子契約の場合には発生しません。
■融資手数料
住宅ローンの事務費用です。
■登記費用
登録免許税に加え、住宅ローンでは銀行に抵当権を移転する必要があります。この場合、金融機関指定の司法書士に依頼することが多いです。
■団体信用生命保険料
住宅ローンでは加入必須のケースが多いです。契約者が死亡したり高度障害になったりした場合、住宅ローンの残高を保険金で相殺する保険になります。
■物件調査手数料
住宅ローンの担保として、物件の調査が必要となります。手数料は金融機関によりさまざまです。
■火災保険料
住宅ローンでは建物を担保に入れることから、万が一の場合に備えて火災保険への加入は必須といえます。
税金
マイホームの購入では、印紙税のほかに以下の税金を納める必要があります。
■不動産取得税
土地・建物を購入したときに一度だけ納める必要のある税金です。
■固定資産税清算金
毎年1月1日の所有者が納める税金です。土地や分譲戸建住宅・マンションなどすでに存在していた不動産を購入する際には、売主(前所有者)がすでに納税しているため、日割り金額で売主へ支払います。
その他の費用
ここまで多くの費用を挙げて解説してきましたが、そのほかにも以下のような費用がかかります。
■修繕積立基金
主に新築マンションの購入時に支払う費用になります。最初に20万円~40万円ほどのまとまったお金を支払い、さらに毎月の積立金も加え、約12年周期にやってくる大規模改修の費用として備えます。
■水道負担金
一戸建て住宅の購入では新たに水道を設置することになります。水道負担金とは、その水道加入金や水道工事費用のことを指します。
■引越し費用
新居に引越すためにかかる費用です。
■家具等購入費用
新居のカーテン・家具・家電・照明器具など、新しく必要となる生活用品の購入費用です。
マイホームの購入後にもお金がかかる
マイホームは購入時だけでなく、住み始めてからも以下の費用がかかります。マンションでは管理費や駐車場代、修繕積立金などもかかることになります。
マイホームの購入金額はどのくらいが目安?
マイホームの購入では、決算時や購入後に多くの費用がかかりますが、全体ではどのくらいの金額になるのでしょうか。頭金の額や、住宅ローンの借入額の目安を知り、自分が買うことができるマイホームの金額を考えてみましょう。
「頭金+住宅ローン借入額」で決まる
購入可能なマイホームの金額は、「頭金」と「住宅ローンで借入できる金額」の合計となります。「住宅ローンで借入できる金額」とは、借入限度額ではなく「借入可能額」です。借入限度額は年収により人それぞれ異なりますが、「借入可能額」はその借入限度額の範囲で無理なく返済できる金額ということになります。
頭金の目安
頭金の目安として、物件価格の10%~20%前後を考えておきましょう。頭金を多く入れることができればローン返済額が少なくなり、総じて返済が楽になります。しかし、突然の病気やケガによる入院、収入ダウン、冠婚葬祭などに備える生活予備費も加味しながら頭金を準備する必要があるでしょう。
年収ごとの住宅ローン借入額の目安
年収に対する返済額の割合を「返済負担率」といいます。また、無理のない返済負担率は年収の25%以内とされています。この返済負担率を用いて、年収ごとの住宅ローン借入額の目安を算出してみましょう。
・頭金なし
・返済期間35年
・固定金利1.5%
・元金均等返済
・返済負担率25%
返済負担率を20%近くに設定できれば、住宅ローン返済のリスクを下げることが可能になります。
マイホーム購入で使える補助金・助成金もある
国や各自治体では、個人やビルダーが利用できる住宅購入補助金制度がいくつか設けられているため、令和3年9月時点で利用できるものを見ていきましょう。一戸建て住宅が対象となっているものが多いですが、「すまい給付金」は要件を満たせばマンションも対象となります。
すまい給付金
消費税率の引上げにより、住宅の取得に伴う消費税の支払い額が上がります。その負担を軽減するために創設されたのが「すまい給付金」です。基本的な申請の条件は以下のようになっています。
ただし、令和3年1月の制度改正にて、以下の期間に契約した人については条件が緩和されています。
地域型住宅グリーン化事業補助金
長期優良住宅やゼロ・エネルギー住宅、高度省エネ住宅などを手がける中小住宅生産者(企業)へ支払われる補助金です。申請した企業グループから国が採択し、住宅による地域環境への貢献を補助金で評価します。住宅取得者には、建築費用の軽減という形で還元されることになるでしょう。
家庭用燃料電池システム(エネファーム)導入支援事業補助金
家庭用の都市ガスや、LPガスを利用して電気を作り出す家庭用燃料電池システムのことをエネファームと呼びます。新築またはリフォーム時に燃料電池普及促進協会(FCA)の指定エネファーム製品を導入すると、補助金(最大4万円)がもらえるという制度です。
国からの補助は令和2年度にて終了となりましたが、令和3年9月時点では自治体によりエネファーム補助金交付が行われているところもあります。また、エネファーム補助金として交付される金額は、自治体によって異なります。住宅の所在地でエネファーム補助金制度があるかどうか、最寄りの役所に確認しておきましょう。
ZEH補助金
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、優れた断熱性能により省エネ基準比20%以上を実現し、年間の一次エネルギー収支ゼロを目指す住宅(新築・中古リフォーム)のことを指します。ZEH-Mの定義を満たしている住宅の場合は60万円、ZEHの定義に加えて再生可能エネルギーの自家消費拡大を実現している場合は105万円の補助金が交付されます。令和3年9月時点での申請方法は、着工時期や完了期限により公募期間が決められており、これらは基本的に先着順となっているため、希望する場合は早めに応募しましょう。
その他自治体独自の補助金・助成金制度
上記で紹介した「家庭用燃料電池システム(エネファーム)導入支援事業補助金」も含め、自治体によってさまざまな補助金や助成金の制度を設けています。なお、東京都では以下のような制度をはじめ、市や区による独自の助成金制度もあります。
・東京ゼロエミ住宅新築等助成金(東京都)
・エコ助成金(荒川区)
・住宅改善工事助成/エコ・バリアフリー住宅改修(品川区)
・豊島区エコ住宅普及促進費用助成金
自治体によって違いがあるため、気になる方は役所に連絡してみましょう。
まとめ
マイホームの購入の際には、具体的にかかる費用項目についてあらかじめ把握しておきましょう。そして無理のない住宅ローンを組み、月々の生活費を抑えて暮らすことも、ローン返済の重要なポイントになります。そして、住宅購入で利用できる助成金については、契約日や工事完了日などに期限がある場合が多いため、事前に調べておくようにしましょう。
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