【街の個性を知る ~コロナの影響が大きかった街、小さかった街~ 】

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どこに住むか考える時、土地勘のない場所を選ぶのは不安に感じるものです。しかし、土地勘のある場所に限定していては範囲が狭くなってしまい、決断を後悔するかもしれません。そこで、今回は沢山の街を知って住宅選びの選択肢を広げるために、JR東日本の駅別乗車人員ランキング(2020年度の上位200駅)を使って街の個性を探ってみました。

 

●新型コロナウイルス感染症の影響で乗車人員は軒並み40%減
新型コロナウイルス感染症により、2020年2月頃から人の移動が大きく制限されました。その影響はJR東日本の駅別乗車人員ランキングを見ると痛いほどわかります。最初に1日平均の乗車人員が特に多い駅の状況をグラフにまとめてみました。JR東日本以外は今回取り上げませんが、どこも似たような状況です。

1日平均の乗車人員が最も多いのは新宿駅ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により2018年度の789,366人が2020年度は477,073人へ31万人も減っています。乗車人員の多い駅はどこも似たり寄ったりで、通勤・通学の人に限らず買い物や観光の人もみんな自粛したことで、2年前に比べて40%前後の大幅減少となっています。新型コロナウイルス感染症の影響の大きさがわかります。

 

●大学のオンライン授業化も駅の乗車人員に影響を及ぼしている
JR東日本の乗車人員ランキングは定期と定期外に分かれて載っているので、次は定期の乗車人員が2年前に比べて大幅に減った駅を並べてみました。

 

2020年度の定期乗車人員が2018年度と比べて大きく減少している駅には、オフィス街とは言えない駅が複数含まれています。最も減少率が大きい目白駅は45.0%も減っています。これは企業の在宅勤務化より駅前にある学習院大学のオンライン授業化が大きく影響しているのではないでしょうか。4番目の淵野辺駅も同様に青山学院大学の通学者減少が影響していそうです。

 

●舞浜駅はディズニーランドの自粛で大幅減
次は定期以外の乗車人員が2年前に比べて大幅に減った駅を並べてみました。定期外だと通勤・通学者の多くは除かれ、仕事の取引先訪問や観光、買い物等での利用が考えられます。

 

最も減少率が大きいのは舞浜駅で2018年度に比べて67.0%も減っています。定期と定期外では乗車人員の変化に大きな違いがあり、定期外の舞浜駅は定期の目白駅よりも減少率が22%も大きくなっています。舞浜駅と言えばディズニーランドがあります。ここが営業の自粛をした事で乗車人員が大幅に減少したと考えられます。同じように考えていくと、水道橋には東京ドームがあり、海浜幕張には幕張メッセ、信濃町には国立競技場があります。イベント等の自粛により行く人が大幅に減ったのでしょう。

 

●原宿駅はコロナの影響で定期外の乗車人員が僅か1/3に
定期外の乗車人員の比率が高い駅は観光地や商業地であることが多いです。そのような駅を定期外乗車人員の比率が高い順に並べてみました。定期外と定期の乗車人員および定期外の割合は、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の2018年度の数値です。影響を受けた後の2020年度は一番右に定期外乗車人員を載せてあります。

 


JR東日本の乗車人員ランキング200位までの駅で調査したので、主に関東地方の有名な観光地が上位に並んでいます。1位の原宿駅は都心にありますが、オフィス街と言うより竹下通りや表参道を中心とした若者に非常に人気の街なので、定期外乗車の比率が68.6%(2018年度)にもなります。新型コロナウイルス感染症の影響で2020年は激減していますが、2位の舞浜駅と比べるとかなり健闘しています。上野や秋葉原も都心の代表的な観光地ですが、外国人もほとんど来なくなり、静かな観光地になってしまっています。

 

●ベッドタウンは定期乗車人員の比率が高い!?
最後に定期乗車人員の比率が高い駅を表に並べてみました。定期の乗車人員の比率が高い駅は、毎日乗車して他駅へ出かけていく人が多いか、オフィスや工場等へ通勤する人、大学や高校等へ通学する人が多いと考えられます。

1位のあおば通は宮城県仙台市の駅ですが、他は千葉県や埼玉県のベッドタウンと言えそうな駅が並んでいます。定期乗車が非常に多いことから観光地や商業地ではなく、毎日決まった人が駅を利用していそうです。新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務が増えましたが、これらの駅の定期乗車人員は2018年度に比べて20%程度しか減少していないことから、自粛期間中でも80%程度の人は変わらずに職場へ通勤していたと考えられます。

 

JR東日本の駅別乗車人員ランキングをみただけでも、あまり馴染みのない街の個性も知る事ができます。新たな発見があれば実際に足を運んでみると良いでしょう。更に詳しく街ごとの個性を知るには、実際に住んでいる人に聞いてみるのも良いですし、一度に広範囲の情報を得るために不動産業者やファイナンシャルプランナーのような専門家に相談してみるのも良いでしょう。

 

 

 

松浦建二(CFP ®認定者・1級FP技能士)

青山学院大学非常勤講師/FPとして個人向けや中小法人向けコンサルティング業務やFPに関する講演・執筆を主に、金融商品の販売代理業務等を行っています。各メディアにて取材協力も行っています。

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