【都心でストレスの少ない通勤通学を実現させる方法】
毎日の通勤通学等はできる限りストレスを少なくしたいところです。電車の移動でストレスを少なくするには、利用する路線が混雑していないだけでなく、利用する駅の待ち時間の短さも重要なポイントではないかと考え、各路線の1時間当たりの本数がどのくらいなのかを確認してみました。もし住む場所や働く場所を選べるなら、是非参考にしてみて下さい。
今回の調査では都心の大動脈である東京メトロの各路線を確認してみました。東京メトロは23区を中心としたエリアに9路線あります。全ての駅の全時間帯を調べのはかなり大変なので、駅は運行本数が変わる始発駅や終着駅を中心に選び、時間帯は通勤通学時間の平日朝7~8時台と帰宅時間の18~19時台、他に終電間際の23時台、そして土休日にお出かけしそうな8時台と19時台を選んで確認しました。
- 銀座・丸ノ内・日比谷線は優れた利便性を実感できる
最初は銀座線、丸ノ内線、日比谷線の運行本数です。表の見方は、例えは銀座線上野駅では、朝8時台に浅草方面行が27本、渋谷方面行が29本あるという意味です。渋谷駅と浅草駅は銀座線の終着駅なので、一方向しか運行していません。
銀座線はどの時間帯も本数が非常に多く、特に平日8時台と18時台は30本近いので、ほぼ2分間隔で走っていることになります。車両数が6両しかなくサイズも小柄なので、他の路線より少人数しか乗れませんが、これだけ次から次に来てくれれば待つストレスはほぼないでしょう。深夜も他より本数が多く、非常に便利です。
丸ノ内線は平日の新宿駅~池袋駅間で本数が非常に多く、特に池袋駅発の8時台は30本もあります。これだけ過密に運行できることに感心します。中野坂上駅~荻窪駅間や中野坂上駅~方南町駅間は、朝は15本前後なので、4分間隔と言ったところです。これでも十分な本数ではないでしょうか。ただ深夜はかなり減り、新宿駅から池袋方面は8時台の28本が23時台には9本まで減ってしまいます。
平日の日比谷線は、朝は中目黒方面行の本数の方が少し多くなっています。8時台は両方向とも3分間隔程度なので、次から次に来ます。19時台は16本程度に減り、4分間隔になります。
土休日は朝も夜も似たような本数ですが、銀座線は朝より夜の方がかなり多くなっています。この3路線に限っては、十分すぎるほど運行本数が充実しています。通勤通学がこの路線だけで完結できたら、かなりストレスは少なくて済むでしょう。
●東西・千代田・半蔵門線は
次に東西線、千代田線、半蔵門線の3路線です。東西線はJRと東葉高速鉄道が相互乗り入れ、千代田線はJRと小田急線が相互乗り入れ、半蔵門線は東武と東急が相互乗り入れしており、都心へ通勤通学する人の大動脈です。
平日朝の東西線はかなり混雑しているイメージがありますが、8時台の西船橋駅発は18本で、同じく都心へ向かう千代田線の綾瀬駅発と比べると7本も少ないです。東陽町駅では25本に増えますが、西船橋駅からでも25本あると、混雑状況がかなり緩和されるのではないでしょうか。夜の西船橋方面も20本程度しかなく、しかも一部の快速に乗客が集中するので、快速が止まらない葛西駅等は更に少なくなっています。現在複数の駅で改良工事をしているので、改良後に期待しましょう。
平日の千代田線は両方向とも20本強あるので、3分と待たずに次が来る感覚です。ただ、多くの千代田線は綾瀬駅からJR常磐線の柏方面へ行ってしまうので、綾瀬~北綾瀬は朝でも本数が少なく、10分間隔と言ったところです。
平日の半蔵門線は、他の路線に比べて朝と夜で本数の差があまりありません。例えば半蔵門駅の渋谷方面は、8時台が22本、18時台が20本で2本しか差がありません。夜も朝と同じくらい混むからなのでしょうか。
土休日のこの3路線は5分に1本程度運行しています。東西線は快速があるので、快速の止まらない葛西駅や妙典駅は7分に1本程度となり、目の前で行ってしまうと、少し待つことになります。
●南北・有楽町・副都心線は運行本数が比較的少ない
最後に南北線、有楽町線、副都心線の3路線です。南北線と副都心線は比較的新しい路線です。
この3路線の平日朝は、有楽町線の新木場方面を除けばどこも15本程度なので、4分間隔と言ったところです。日比谷線や東西線等に比べて本数が少ないのは、路線が比較的新しいことが影響していそうです。特に副都心線のFライナー等が通過する西早稲田駅等では、8時台でも10本しかなく、都心を走る東京メトロとしてはかなり少ない本数です。利用者がその程度しかいないとも言えるので、比較的静かな都心を求めている人には好適地かもしれません。土休日は3路線とも5~6分に1本程度の運行本数で、他の路線と大きな差はありません。
●待ち時間が短い通勤通学をするなら銀座線か丸ノ内線
全路線を比較して本数が最も多いのは、下記の通りです。
平日
7時台……銀座線上野駅 渋谷方面 27本
8時台……丸ノ内線茗荷谷駅・池袋駅 荻窪方面 30本
18時台……銀座線渋谷駅・上野駅 浅草方面/上野駅 渋谷方面 27本
19時台……丸ノ内線茗荷谷駅 池袋方面 25本
23時台……有楽町線小竹向原駅 和光市方面 17本
土休日
8時台……有楽町線小竹向原駅 和光市方面 17本
19時台……銀座線上野駅 浅草方面/上野駅・浅草駅 渋谷方面 20本
平日の朝と夜は銀座線と丸ノ内線の運行本数が比較的多くなっています。ただ、銀座線と丸ノ内線は車両が短く狭いので、待たずに乗車できたとしても、空いているわけではありません。深夜と土休日の朝は、有楽町線の小竹向原駅が最も本数が多いです。
もしストレスの少ない通勤通学をしたいなら、待たない路線や駅だけでなく、駅の利用者数や路線ごとの混雑率も参考にして、総合的に判断した方が良いです。多くの人は朝に都心の職場や学校へ向かい、夕方から夜に逆方向へ帰宅します。この動きと異なっていれば、都心でも意外と快適な通勤通学ができるはずです。実際に足を運んで確認してみてはいかがでしょうか。
松浦建二(CFP ®認定者・1級FP技能士)
青山学院大学非常勤講師/FPとして個人向けや中小法人向けコンサルティング業務やFPに関する講演・執筆を主に、金融商品の販売代理業務等を行っています。各メディアにて取材協力も行っています。
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